[疾患の種類]
外科・消化器外科では、胃癌・大腸癌といった消化管の悪性腫瘍、胆管癌・胆嚢癌・膵臓癌・肝臓癌といった肝胆膵領域の悪性腫瘍、乳癌、甲状腺癌などの悪性腫瘍に罹患した患者さんの治療を行っています。また、胆石症・胆嚢炎・急性虫垂炎・鼠径(そけい)ヘルニア・直腸脱・痔核・肛門周囲膿瘍といった良性疾患の患者さんの治療も行っています。
治療は手術が中心となりますが、患者さんに最善の治療を提供するために、それが最適と判断される場合は、内視鏡治療や薬物治療も行っています。
いずれの手術も、外科医として20年以上の経験のある、手術・術後管理に習熟した医師が行っています。
[胃癌・大腸癌]
遠隔転移がない胃癌・大腸癌の患者さんに対しては、傷が小さく体への負担が少なく、高精細な画像で精緻な手術が可能な腹腔鏡手術を主に行っています。進行度が高い患者さんに対しては、根治性を高めるために術前術後の抗癌剤治療や放射線治療を併用することもあります。リンパ節転移の可能性がない粘膜癌では、胃においては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という内視鏡治療(胃カメラによる治療)を行っており、胃をまるごと温存しています。大腸においては、内視鏡的粘膜切除術(EMR, 大腸カメラによる治療)を消化器内科とともに行っています。
[乳癌]
遠隔転移がない乳癌の患者さんの治療は手術が中心となりますが、切除範囲を小さくして乳房を温存したり、術後になるべく癌が再発しないように、術前術後に抗癌剤治療やホルモン治療を行うことも少なくなくありません。また乳房温存時の残存乳房への放射線照射は、他施設と連携して行っています。遠隔転移のある乳癌の患者さんに対しても、抗癌剤や抗女性ホルモン薬による薬物療法などでしっかりと治療していきます。
[良性疾患の手術]
胆嚢摘出術・虫垂切除術・鼠径ヘルニア根治術・直腸脱に対する直腸固定術は、基本的に腹腔鏡手術で行っています。腹腔鏡下に手術を行うことで、手術中に良好な視野を得ることができ、安心・安全で確実な手術が可能となります。また、整容性にすぐれるほか、痛みも少なく術後の回復も早くなります。
胆嚢炎や虫垂炎などの炎症性疾患で、穿孔して膿瘍を形成している場合などは、より最小限の手術で済むように、抗菌薬やチューブ挿入による漏出物の体外への排出(ドレナージ)で保存的に治療したのちに待機的に手術を行うこともあります。
直腸脱に対しては、患者さんの病態に応じて適切な手術法を選択します。
内痔核に対しては、基本的には外用薬を中心とした薬物療法でまずは治療を開始しますが、再発を繰り返す場合や、痔核が器質化してしまっており薬物療法で十分な効果が得られないと思われる場合は手術を行います。
[地域包括ケア病棟]
当院では地域包括ケア病棟を持っており、高齢の方などで術後の急性期を乗り越えたのちに、もう少し自宅に帰るまでの間リハビリを継続したい時など、転院せずに同じ主治医のまま入院を続けることが可能です。十分に体力が回復し、自信がついてからの退院となります。
[術後の経過観察]
悪性腫瘍(癌)の術後は、血液検査やCT検査などによる定期的な経過観察はもちろんのこと、再発した場合の抗癌剤治療、癌と診断された時から始まる緩和ケアと、様々なアプローチで患者さんをしっかりとみる全人的医療を行っています。当院では2024年度より医師らによる訪問診療と看護師らによる訪問看護を行っており、ご希望があれば在宅医療にも対応します。
[緩和ケア]
緩和ケアとは、患者さん(とその家族)の心と身体のつらさを緩和し、患者さんが自分らしく生きていけるよう各種の方法で援助することを言います。癌や癌治療による、痛み、食欲不振、嘔気、倦怠感などの症状に対しては、医師、薬剤師、看護師が中心となり、各種の医療用麻薬を用いた疼痛コントロールや、吐き気止め、ステロイド剤などによる症状緩和を行うほか、管理栄養士とともに各種栄養剤を用いた栄養サポートを行います。精神的・社会的な悩みに対しては、精神科医や看護師、臨床心理士、社会福祉士らが親身に相談にのります。体力が低下してリハビリが必要な場合は、リハビリ専門職が本人の負担にならない適切な負荷のリハビリを提供します。当院には医師・薬剤師・看護師・管理栄養士・リハビリ専門職・社会福祉士にて構成された緩和ケアチームがあり、入院中のみならず、外来通院中や在宅医療中でも必要なケアを提供します。
[チーム医療]
各職種の医療スタッフが協力して、患者さん一人一人にきめ細かく対応し、患者さんが気持ちよく治療を受けられるよう配慮します。滑川病院の理念である「アットホームな病院」の雰囲気の中、スタッフが患者さんに寄り添います。ここで手術をしてよかったと思ってもらえるように、スタッフ一同診療しております。分からないこと、疑問に思うことがあれば、遠慮なくお尋ねください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
1診 | 芳 炭 | 伊 井 | 馬 渡 | 芳 炭 | 伊 井 |
2診 | 馬 渡 | 芳 炭 | 伊 井 | 伊 井 | 馬 渡 |
[受付時間] ●午前 8時30分~11時30分 ●午後 救急患者のみ。電話にて診療の可否を確認して下さい。 |